政府は11月7日、首相官邸で「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」(議長・岸田文雄首相)を開いた。首相は会議で、国民の「暮らし」の脱炭素化に向け、3年間で2兆円を投資すると明らかにした。断熱窓への改築といった住宅の省エネ化や電気自動車(EV)の購入などを支援していく。
GX実行会議で発言する岸田文雄首相(中央)=7日午後、首相官邸
首相は「国民一人一人の生活が快適で、家計の負担軽減につながるような投資を集中的に進めていく」と強調した。EV購入には最大85万円を補助。既存住宅での高効率の給湯器の導入、家庭用の太陽光発電や蓄電池の購入も支援する。壁や床の断熱リフォームの費用なども対象とする。
政府はまた、今年度発行予定の「GX経済移行債」について、国際認証を取得したと発表した。脱炭素化の実現へ投資基準を明確化させることで、国内外の資金を集めやすくする考え。GX債による調達資金の一部は、暮らしの脱炭素化支援の財源にも充てる。
アキレス(東京都新宿区)は11月1日、住みながら断熱改修と耐震補強を行うことができる木造住宅外壁向けの上張り断熱リフォーム工法「ソトダンプラス」を全国で発売する。
同社は2015年から、北海道科学大学名誉教授・福島明氏の指導のもと、木造住宅の効果的な断熱改修工法の研究に着手。
建物を壊すことなく、硬質ウレタンフォーム断熱材「キューワンボード」を既存住宅の外壁に上張りし、さらに構造用合板で補強することで断熱改修と耐震補強をあわせて実施する新工法を開発した。2016年からは北海道を中心に施工実績を重ねて工務店や住宅建材メーカーとともに工法をブラッシュアップし、今回「ソトダンプラス」として全国展開することになった。
新工法は、壁を解体・撤去するスケルトン改修と比べて工事の規模・期間・費用・廃材が抑えられ、生活空間に干渉せずに工事ができるため引っ越しや家具の配置変更などの必要がない。
既存の外壁に上張り施工
構造用合板で耐震補強もあわせて実施
出典:新建ハウジング
住宅金融支援機構(東京都文京区)は11月1日、住宅ローン「フラット35」取扱金融機関が適用する11月の融資金利を発表した。
返済期間21年以上35年以下の最低金利は、融資率9割以下が1.96%、9割超が2.10%と、いずれも前月から0.08ポイント上がり、3カ月連続で上昇した。最高金利は、9割以下が3.53%、9割超が3.67%で、前月から0.26ポイント上昇した。
返済期間20年以下の「フラット20」の最低金利は、融資率9割以下が1.48%、9割超が1.62%で、前月から0.08ポイント上がり、3カ月連続で上昇。最高金利は、9割以下が3.05%、9割超が3.19%だった。
出典:新建ハウジング