7/15~発生の水害について(その後)

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7/15発生の大雨に依る水災に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。

弊社でもこの記事を書いている2023.8.27現在、基礎内部水の汲み出し・泥除去・高圧洗浄と被災住宅数棟の作業をさせていただきました。

その中で、今後の取り組みとしなければならない事項もわかってきましたので、今後、住宅新築計画がある方のご参考になれば幸いです。

1.断熱材について

弊社施工物件は発泡ポリスチレン(プラスチック系断熱材)で外断熱をしています。この場合は断熱材に水を含むことが無く、壁内部の補修を考えなくて済みました。一方、他社施工のグラスウール断熱材を使った住宅からも水災復旧依頼があり現地をみましたが、断熱材が汚水を吸収して壁から基礎部分までズリ下がっていました。これを復旧するとなると断熱入れ直しにて内壁や天井を壊す大工事が伴います。住宅ローンを支払いながらそれらの工事を出来る方は水災保険加入者や生活にゆとりがある方のほんの一握りだと思います。高断熱住宅の施工には様々な工法がありますが、弊社はプラスチック系断熱材に依る外断熱工法選択で正解だったと感じております。

2.地盤から基礎の高さ

水災に被災された住宅でも基礎の高さ設定によって明暗を分けたケースがありました。バリアフリーが常識な今、住宅への出入りに段差はなるべく避けたい所だと思いますが、外部アプローチに階段1段を増やすことでで150ミリ分の水災被災が防げます。2段では300ミリにもなりますので駐車場勾配高さと併せてかなりの防災になると思います。私は基礎の高さをなるべく高めに設定するケースが多いのですが、「基礎が高くて助かった」と数軒の方から喜ばれました。また今回のような水災復旧作業をする場合、基礎が立ち上がり高さが低いと人が潜れないので床解体作業が広範囲となる施工となります。

3.建材について

現在の住宅には既成品の建具・建具枠が多く使われていますが、弊社では頑なに無垢材の造作材に現在もこだわっています。今回の水災で他社で施工された住宅に使われた既成品の建具・建具枠が水を吸って使い物にならないケースを見ました。化粧シート貼りの建具・建具枠は完成時に無垢材よりも感覚的に綺麗に仕上がりますが、木材繊維を固めて圧縮したような原材料を使ったものは要注意と感じました。

4.水災保険について

罹災証明書の発行が遅れている要因もありますが、水災保険加入者への水災保険金がなかなか決まりません。

床上浸水は45cmでの水災認定という保険会社の決まりがあるようで、これは後日勉強会があるので分かり次第にお伝えしたいと思います。